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“たぶんそんな日のために、美味しいご飯があるんです”▶︎▷▶︎【本紹介】まだ温かい鍋を抱いておやすみ/彩瀬まる

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📚まだ温かい鍋を抱いておやすみ


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【概要】
今がどれだけキツくても―。
“おいしい”が、きっとあなたの力になる。
ほろ苦く、心に染み入る極上の食べものがたり

正しさとか幸福とかというものは、
本当に大切なものだけれども、
生きていればそうではないものを抱え込む時もある。
そんなものをいつまでも抱え込んでいるのは間違っているかもしれないが、簡単に放り出すこともできない。
日々葛藤しながら苦しい時間を耐えていく私たちのそばに本書がある。
なんと心強い道連れだろうかー。
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🌱言葉

嫌われることが1番怖かったけど、今は、
自分のことが自分で決められなくなることの方がずっと怖い
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ずっと頼ってきたものを捨てるのは怖いでしょう
仕方ないですよ。
多分、そんな日のためにお酒とか美味しい食べ物とか、こうゆうお店があるんです。
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誰にも嫌われないっていうのは、
誰にも選ばれないっていうことに似てるんですかね。
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まぁ、流されるよりは、行く先がどこであれ、
自分から流れていくくらいの気でいろよ。
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今のどんな状況も、
私とあなたが生きやすいように変えてしまって
いいと思うんだ。
想像してた行き先と変わっても、山の中に迷い込んでも。
2人で楽しもうって、そうゆうふうに私たちは始まったんだから。
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結婚したら、頭がおかしくなるほど悲しいときも
家族に気をつかって生きなきゃならないの?
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彼女には落ち着くまで、本当に彼女がもういいと言うまで自由にここにいてほしいと思っています
私は彼女を招き、彼女はそれに応じました。


それぞれにちゃんと、理由や感情があっての判断です。
それを無視して、勝手に物事を進めようとしないでー。

正しいとか、間違いとか、そうゆうのに関係なく私は彼女の安心と納得を優先したいんです。
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毎日毎日、生きたいと消えたいとの境界を彷徨いながら箸を持つ友人の口を、食の誘惑でこじ開ける。
サクサクと噛み砕かれ、ごくんとの嚥下された温かいかたまりは、否応なしに彼女の血肉を潤す。

これであなたは、明日も死ねない。

多少の罪悪感では折れないくらい、貪欲に、
傲慢になってほしかった。
生きると決めた以上、この人はこれからも苦しくて痛みをともなう日々を淡々と歩き続けるのだ。
強い方がいい。濁っていた方がいい。
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私はたぶん今後も、
満ち足りた人を祝福する一皿はつくらないだろう
そうゆう食卓を、心の底では信じていない。
それよりも、彼女のような人に食べてほしい。
苦しい時間を耐えていく人の食卓に、豊かさをつくりたい。
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生きていると、ある食べ物と苦しい記憶が
そしてそれに付随する感情がわかちがたく結びついてしまうことがある。 

それでも、私たちは食べる。
たとえまるで味がしなくても、
時には涙を流しながらであっても、
生きていくために食べなくてはならない。

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▽▼▽彩瀬まるさん作品▽▼▽